30代事務職OLのひとり暮らし戦記

世間知らずの喪女がひとり暮らしに悪戦苦闘中

雨にもまけず粗茶一服(著:村松栄子)


楽天ブックス: 雨にもまけず粗茶一服(上) - 松村栄子 - 4591114201 : 本

やる気がなくて生意気な主人公。
とはいえ近年のジュブナイルの主人公なんて大抵そういうもの、にも関わらず彼のことがあまり好きになれないなぁと思いながら読んでいたらラストシーンで突然泣いた。
ご都合主義、むしろご都合主義以上の都合の良さじゃないかと頭の冷静な部分は思っているのだけれど、5月の晴れ渡った空のようなこの結末が相応しいとも思っている。

茶道が根幹にある物語なので茶道のシーンも繰り返し出てくる。
細かい作法は最小限に抑えられていて、むしろ興味を抱きやすい添え菓子についての描写が多かったりするのが面白い。

序盤の茶道のシーンで、六条御息所に連想させる器や掛け軸をみんなで知恵を出し合って集め、その中でお茶をいただいて六条御息所のことを思うというシーンがありました。
茶道のやりがい・楽しさって、たくさんの作法を守ることで雑念をなくして道を極めていくことなのかなって思っていましたが、こんな楽しみ方もあるんだ。


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